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バックアップの「3-2-1ルール」メモ

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バックアップの 3-2-1ルール は、重要なデータを障害・誤操作・災害などから守るための基本的な考え方。

  • 3:データを合計 3コピー 持つ
    • 本番データ 1つ
    • バックアップ 2つ
  • 2:コピーを 2種類の異なる媒体・保存方式 に置く
    • 例:PC/サーバーのディスク + 外付けストレージ
    • 例:オンプレミスストレージ + クラウドストレージ
  • 1:そのうち 1コピーは別拠点(オフサイト) に置く
    • 火災、地震、盗難、ランサムウェアなど、同一拠点全体に影響する事故への対策

要するに、

「同じデータを3つ持ち、2種類の方法で保存し、最低1つは別の場所に置く」

というルール。


バックアップが1つだけだと、そのバックアップ自体が壊れていた場合に復旧できない。

また、同じサーバーや同じネットワーク内に複数コピーがあっても、

  • ハードウェア障害
  • 操作ミス
  • ランサムウェア
  • 火災・水害
  • ストレージやバックアップシステム自体の障害

などで同時に失われる可能性がある。

そのため、コピー数だけでなく、保存方式と場所も分散することが重要。


3-2-1ルールを広めた Peter Krogh は、元々の「2」を
異なる2種類のメディア(media types)に保存することとして説明している。

例えば、

  • HDD + テープ
  • HDD + 光学メディア
  • ローカルストレージ + クラウド

など。

単に同一ネットワーク上のHDDを2台用意しただけでは、共通の障害や攻撃の影響を受ける可能性があるため、3-2-1ルールの本来の目的からは弱い。


トイ・ストーリー2の有名なバックアップ事故

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Pixarで『トイ・ストーリー2』を制作していた1998年頃、制作データが誤って削除される事故が発生した。

Unix系システム上で、削除コマンドが誤った場所から実行されたとされ、
映画の制作データの大部分(約90%)が消失した。

本来ならバックアップから復旧できるはずだったが、さらに問題があった。

バックアップシステムが正常に機能しておらず、最近のデータを十分に復元できなかった。

しかし、監督技術担当だった Galyn Susman(ガリン・サスマン) が、出産後に自宅で作業するため、比較的新しい制作データを自宅のコンピューターにも保存していた。

そのコンピューターをPixarへ持ち込み、残っていたデータと組み合わせて復旧作業を行ったことで、大規模なデータ消失を回避できた。

トイ・ストーリー2の事故は、バックアップについて特に次の点を示している。

  1. バックアップは「存在する」だけでは不十分

    • 正常に取得できているか確認する必要がある。
  2. リストアテストが重要

    • 実際に復元できることを定期的に確認する。
  3. 同じ場所だけにコピーを置かない

    • 偶然ではあるが、自宅にあったコピーが実質的なオフサイトコピーとして役立った。
  4. バックアップも障害になる

    • 「バックアップシステムがあるから安心」ではなく、その仕組み自体を監視する必要がある。

3 copies
2 different media / storage types
1 offsite copy

日本語では、

3つ持つ
2種類に分ける
1つは別の場所へ

と覚える。


例えばAWSを利用したシステムなら、考え方として次のような構成が考えられる。

本番データ
↓
バックアップ①:AWS Backup / Snapshot
↓
バックアップ②:別AWSアカウント・別リージョン

さらに重要度が高ければ、

AWS上のコピー
+
別クラウド / オンプレミス / オフライン媒体

のように、障害ドメインや管理境界まで分離する。

ただし、単にコピー数を増やすのではなく、

  • 別アカウント
  • 別リージョン
  • イミュータブル化
  • バックアップ削除権限の分離
  • 定期リストアテスト

まで考えると、ランサムウェアや管理者操作ミスにも強くなる。



バックアップは「何個あるか」だけでなく、「違う方式・違う場所に置き、実際に戻せることを確認する」ことが重要。