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リーダーとマネジャーは、どちらも「メンバーのやる気を引き出し、組織を前に進める」ために必要ですが、アプローチが異なります。

  • リーダー:理想を描き、共感を生み、人の心を動かす
  • マネジャー:理想を実現するために意思決定し、権限とリソースを使って実行を設計する

重要なのは、どちらか一方ではなく、リーダーシップとマネジメントの両方を使うことです。


リーダーとは、共感を得る人です。理想を創り、「一緒にこれをやりたい」と思わせる。リーダーには権限がありません。だから、任せることはできない。できるのは、理想を語り、心を動かし、共感してもらうことだけです。その結果として、部下のやる気が引き出される――これがリーダーシップのアプローチです。

  • 理想・ビジョンを描く
  • 「なぜやるのか」を伝える
  • メンバーから共感を得る
  • 「一緒にやりたい」という Will を引き出す
  • 未来に得られる価値、つまり リターン を描く
  • 権限ではなく、共感や納得によって人を動かす

理想 / ビジョン / 共感 / Will / Why / リターン / 心を動かす


マネジャーとは、意思決定をする人です。理想を実現するためにヒト・モノ・カネを含めた施策を決める。権限があるから、任せることができます。Will(やりたい)×Can(できる)×Must(やるべき)を合わせながら、エンゲージメントを高めていく――これがマネジメントのアプローチです。

  • 理想を実現するための施策を決める
  • ヒト・モノ・カネなどのリソースを配分する
  • 誰に何を任せるかを決める
  • 権限と責任の範囲を明確にする
  • リスクを評価・コントロールする
  • Will × Can × Must を合わせ、メンバーが自律して動ける状態をつくる

意思決定 / 権限 / リソース / 委任 / 責任 / Can / Must / リスク / 実行設計


観点 リーダー マネジャー
中心的な役割 共感を得る 意思決定する
主な対象 人の心・意志 人・仕事・リソース
つくるもの 理想・未来・ビジョン 実現方法・役割・仕組み
伝えること なぜやるのか(Why) 誰が・何を・どこまでやるか
人を動かす力 共感・納得 権限・役割・責任
委任 権限がないため、それ自体では任せられない 権限があるため任せられる
Will / Can / Must 主に Will を引き出す Will・Can・Must を揃える
リスクとリターン リターンを描く リスクを管理する
不足した場合 理想はあるが実行設計がない 実行計画はあるが意味や動機が弱い

マネジメントでは、次の3つを揃えることが重要です。

  • Will — やりたいこと、やる理由
  • Can — できること、能力
  • Must — やるべきこと、求められる方向

理想的なのは、

やりたい × できる × やるべき

が重なった状態です。

この3つが揃うと、メンバーは単に指示された仕事をこなすのではなく、目的を理解したうえで自分で判断して動ける、「自律」した状態に近づきます。


理想やビジョンは伝わり、Will は高まります。

しかし、

  • 誰が何をやるのか
  • どこまで任せるのか
  • 責任や権限はどうするのか

が曖昧になりやすく、実行につながらない可能性があります。

「理想は素晴らしいが、誰が何をやるのか決まっていない」状態。

担当・役割・Must は明確になります。

しかし、「なぜこれをやるのか」という意味や理想が共有されなければ、メンバーの Will が動かず、仕事が義務になりやすくなります。

「誰が何をやるかは決まっているが、なぜやるのかわからない」状態。


実際の管理職には、リーダーとマネジャーの両方の役割が必要です。

順番としては、

  1. Why を伝える — なぜこの仕事をするのか、どんな未来を目指すのか
  2. 共感を得る — メンバーの Will を引き出す
  3. What / Who を決める — 誰に何を任せるのか
  4. 権限と責任を明確にする
  5. 判断基準を共有する
  6. 自律して動ける状態をつくる

つまり、

リーダーシップで方向と意味を示し、マネジメントで実行可能な形にする。


別の視点では、次のようにも整理できます。

リターン側を見る。

「うまくいったら、どんな素晴らしい未来になるか」を描く役割です。

リスク側を見る。

「実行すると何が起こり得るか」「失敗時の影響は何か」を評価し、リソースを管理して意思決定します。

組織には両方が必要です。

  • リスクだけを見る → 挑戦できない
  • リターンだけを見る → 無謀になる
  • 両方を見る → より質の高い意思決定ができる

記事では「自立」と「自律」も区別されています。

Can(できる能力)がある状態

  • 一人でできる
  • 指示がなくても作業できる

Will × Can × Must が揃い、自分で判断して動ける状態

  • なぜやるのかを理解している
  • 必要な能力がある
  • チームとして進むべき方向を理解している
  • 判断基準に基づいて自分で行動できる

マネジメントで目指すべきなのは、単に「一人でできる人」を増やすことではなく、目的と判断基準を共有し、自律して動ける人を増やすことです。


Leader = Why をつくり、共感を得る人
Manager = How / Who / What を決め、実行を成立させる人

あるいは、

リーダーは「やりたい」をつくる。
マネジャーは「やりたい・できる・やるべき」を揃えて実行可能にする。