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情報セキュリティの手順書・記録・台帳
Section titled “情報セキュリティの手順書・記録・台帳”手順書は作業の実行方法を示し、記録は実施した事実と結果を示します。 台帳は対象・責任者・状態を継続して管理するための記録です。規程と基準を整備しても、この層がなければ日常の運用や監査につながりません。
手順書に書くこと
Section titled “手順書に書くこと”| 項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 目的・対象・根拠 | どの業務・システムで使うか。規程・基準の参照先 |
| 担当者・確認者 | 作業者、承認者、結果の確認者、代理者 |
| 開始条件と前提 | 承認、必要権限、ツール、対象の特定、バックアップ |
| 実施手順 | 順番、操作、入力内容、各段階の確認 |
| 完了条件 | どの結果を確認すれば終了できるか |
| 失敗・緊急時 | 中止条件、影響抑制、連絡先、復旧・切戻し |
| 記録 | 記録項目、保存先、保存期間、閲覧者 |
設定画面の説明だけでなく、誤った対象への操作を防ぐ確認や、失敗時の判断も含めます。パスワード・APIキー等の秘密情報を手順書へ直接埋め込まないようにします。
入社時のアカウント発行手順の例
Section titled “入社時のアカウント発行手順の例”- 人事等の正式な入社情報と申請を照合し、対象者・開始日・部署を確認する。
- 情報責任者の承認と、利用システム・権限・利用期限を確認する。承認不足なら設定を止めて差し戻す。
- 個人別IDを作成し、承認された権限だけを付与する。特権が必要なら別途所定の審査を行う。
- 承認された方法で初期登録を案内し、本人確認とMFA登録を行う。認証情報を申請記録へ保存しない。
- 本人とログインを確認し、必要な操作ができること・不要な権限がないことを確認する。
- 作業者・確認者・日時・設定結果を申請に記録し、完了を通知する。
退職時の手順は、アカウント停止だけでなく、セッション・トークン・外部共有・鍵・機器・データの引継ぎを確認します。無効化と削除を分け、保存が必要な業務記録まで直ちに削除しない構成にします。
端末紛失の初動手順の例
Section titled “端末紛失の初動手順の例”| 段階 | 担当・作業 | 記録すること |
|---|---|---|
| 報告 | 利用者が指定窓口へ連絡。通常の端末が使えない場合の別経路も用意する | 発見時刻、場所、端末ID、分かる範囲の状況 |
| 評価 | 対応担当者が保存情報、暗号化、接続状態、アカウントを確認する | 影響評価、判断根拠 |
| 影響抑制 | 権限のある担当者がセッション失効、遠隔ロック等を実施する | 操作の承認・実施・結果 |
| 証拠と通知 | 調査担当者がログを保全。法務等と通知の要否・期限を確認する | 保全先、閲覧履歴、通知判断 |
| 復旧・改善 | 責任者が代替端末と業務再開を判断し、原因と再発防止を確認する | 復旧結果、是正の責任者・期限 |
遠隔消去は証拠や未保存データを失わせる可能性があります。実行条件・承認者を事前に決め、緊急時の権限と事後報告を用意します。担当者の不在時、時間外、連絡不能時も訓練します。
最初に整備する台帳
Section titled “最初に整備する台帳”| 台帳 | 主な項目 | 更新のきっかけ |
|---|---|---|
| 情報・IT資産台帳 | ID、情報・機器・サービス、責任者、分類、保存先、利用者、関連委託先 | 導入、変更、廃棄 |
| リスク台帳 | ID、対象、脅威・弱点、影響・可能性、既存対策、残余リスク、責任者、対応・期限、受容承認 | 評価、事故、重要変更、対策完了 |
| 例外台帳 | ID、対象要件、理由、リスク、代替策、申請者、承認者、期限、解消・再審査結果 | 申請、承認、期限到来 |
| 文書台帳 | 文書ID、名称、版、所管者、承認者、施行日、次回レビュー、関連文書 | 制定、改訂、廃止 |
| 承認サービス・委託先一覧 | サービス・委託先、用途、取扱情報、責任分担、審査結果、契約、次回評価 | 導入、契約・用途変更、終了 |
リスク台帳には「脅威:アカウント乗っ取り」「弱点:MFA未適用」「影響:顧客情報の流出」のように具体的な事象を書きます。「セキュリティリスクあり」だけでは対策を選べません。
運用記録の例
Section titled “運用記録の例”記録ID:AR-2026-001作業:顧客管理サービスの権限棚卸根拠:アクセス管理基準 AC-02、権限棚卸手順 第3版対象・範囲:有効な利用者35名、管理者2名実施日・作業者:YYYY-MM-DD、担当者A確認者:情報責任者B結果:不要な権限2件を検出、削除後に再確認関連証跡:権限一覧の保管先、削除申請番号未完了事項:1件の業務確認待ち。担当者・期限を登録保存・閲覧条件:記録管理基準に従う「実施済み」のチェックだけでなく、対象範囲、結果、不備、是正、確認者を残します。証跡へのリンクが無効にならないよう、保存先と参照権限も管理します。
記録そのものを保護する
Section titled “記録そのものを保護する”記録には個人情報、権限、システム構成等が含まれます。種類ごとに保存期間と根拠、閲覧権限、改変防止、バックアップ、期限後の廃棄を定めます。事故調査や保全指示の対象になった記録は、通常の自動削除を止める仕組みも必要です。
手順の更新後は、実際の担当者がテスト環境や訓練で実行し、説明どおりに完了できるかを確認します。共有スプレッドシート、チケット、文書管理システム等の形式は問いませんが、変更履歴・アクセス・責任者を追跡できるようにします。
関連ページ・参考資料
Section titled “関連ページ・参考資料”- 文書の策定・承認・見直し
- IPA:中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン — 資産管理台帳やセキュリティインシデント対応の手引きも参照できます。