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SASE・SSEの主要ベンダーと製品比較

Section titled “SASE・SSEの主要ベンダーと製品比較”

SASEとSSEの市場では、ベンダーごとにセキュリティ先行、WAN先行、単一統合プラットフォームなど、設計思想が異なります。本記事では代表的な7社を比較します。

確認時点:2026年10月。 製品名称、機能、プラン、提供地域は変わるため、導入前に必ず公式資料と見積もりで確認してください。以下の特徴は各社の公表情報に基づく整理であり、性能・優劣の実測評価ではありません。

ベンダー 代表的なSSE・セキュリティ製品 SASE・ネットワーク関連製品 主な特徴・設計の方向性
Zscaler Zscaler Internet Access(ZIA:Web・SaaS保護)、Zscaler Private Access(ZPA:社内アプリ接続)、Zero Trust Exchange(共通クラウド基盤) Zscaler Zero Trust SASE(接続とセキュリティの統合)、Zero Trust Branch(拠点端末の分離・接続保護) プロキシ型クラウドセキュリティとアプリ単位のゼロトラスト接続を軸に展開
Netskope Netskope One SSE(Web・SaaS保護、社内アプリ接続、データ保護) Netskope One SASE(SSEとSD-WANの統合)、Netskope One SD-WAN(拠点の通信経路制御) SaaS・データ保護を重視し、SSEとSD-WANを統合
Palo Alto Networks Prisma Access(クラウド型セキュリティ・安全なアプリ接続) Prisma SASE(セキュリティとWANの統合)、Prisma SD-WAN(拠点の通信経路制御) クラウド提供型のセキュリティと拠点WANを統合し、脅威対策や運用管理と連携
Cloudflare Cloudflare OneのGateway(Web通信保護)、Access(アプリ接続制御)、CASB(SaaS設定・共有リスク検出)、DLP(情報漏えい防止) Cloudflare WAN(旧Magic WAN:拠点・クラウド接続)、Cloudflare One(SASE統合基盤) グローバルネットワーク上でゼロトラストアクセス、Web保護、WAN接続を提供
Cisco Cisco Secure Access(Web・SaaS保護と社内アプリ接続を統合) Cisco Catalyst SD-WAN(企業WANの経路制御)、Meraki SD-WAN(クラウド管理型の拠点WAN)、Cisco Secure Connect(Meraki SD-WANとクラウドセキュリティの統合) SSEと既存のCisco系WAN・ネットワーク基盤の統合に対応
Cato Networks Cato SASE CloudのSWG(Web保護)・CASB(SaaS利用制御)・ZTNA(アプリ接続制御)・FWaaS(クラウド型ファイアウォール)等 Cato SASE Cloud(SASE統合基盤)、SD-WAN(経路制御)、グローバルバックボーン(世界各地を結ぶ通信基盤) WAN・アクセス・セキュリティを一体のクラウドプラットフォームとして提供
Microsoft Entra Internet Access(Web・SaaS保護)、Entra Private Access(社内アプリ接続)、Defender for Cloud Apps(SaaS可視化・制御)、Purview DLP(情報漏えい防止) Global Secure Access(Internet AccessとPrivate Accessの総称)、パートナーのSD-WANとの連携 Entra IDと連携したアクセス制御を軸に、SSEとパートナーのネットワーク機能を組み合わせる

※「SASE製品」の欄は単独SKUとは限りません。複数機能・サービスの組み合わせやプラットフォーム名称を含みます。すべての機能が同じ契約で利用できるとは限りません。

SASE ≒ SSE+SD-WANなどのネットワーク機能という関係で整理できます。SSEの中核はSWG・CASB・ZTNAで、FWaaS・DLP・RBIの提供範囲は製品や契約によって異なります。以下は機能と製品の対応表であり、各社の検査範囲や制御能力が同等という意味ではありません。

ベンダー SWG:Web通信の保護 CASB:SaaSの可視化・制御 ZTNA:社内アプリへの安全な接続
Zscaler Zscaler Internet Access(ZIA)のSWG ZIAのCASB Zscaler Private Access(ZPA)
Netskope Netskope One Next Gen SWG Netskope One CASB Netskope One Private Access
Palo Alto Networks Prisma AccessのSWG Next-Generation CASB/SaaS SecurityをPrisma Accessと組み合わせる Prisma AccessのZTNA
Cloudflare Cloudflare Gateway Cloudflare CASB。通信中の制御にはGatewayも利用 Cloudflare Accessを中心とするZTNA機能
Cisco Cisco Secure AccessのSWG Cisco Secure AccessのCASB Cisco Secure AccessのZTNA
Cato Networks Cato SASE CloudのSWG Cato SASE CloudのCASB Cato SASE CloudのZTNA
Microsoft Microsoft Entra Internet Access Microsoft Defender for Cloud Apps Microsoft Entra Private Access

出典:ZIA / ZPA / Netskope製品一覧 / Next-Generation CASB / Prisma Access / Cloudflare One / Cisco Secure Access / Catoの構成 / MicrosoftのSSE

ベンダー FWaaS:クラウド型ファイアウォール DLP:情報漏えい防止 RBI:ブラウザーの遠隔分離 SD-WAN:拠点の回線・経路制御
Zscaler ZIAのCloud Firewall ZIAのCloud DLP Cloud Browser Isolation Zero Trust SD-WAN
Netskope Netskope One Firewall as a Service(Cloud Firewall) Netskope One DLP Netskope One Remote Browser Isolation Netskope One SD-WAN
Palo Alto Networks Prisma AccessのFWaaS Enterprise DLP Remote Browser Isolation for Prisma Access Prisma SD-WAN
Cloudflare Cloudflare Network Firewall。利用者の通信制御にはGatewayも利用 Cloudflare DLP Cloudflare Browser Isolation Cloudflare WAN+Cloudflare One Appliance
Cisco Cisco Secure AccessのFWaaS Cisco Secure AccessのDLP Cisco Secure AccessのRBI Cisco Catalyst SD-WAN/Meraki SD-WAN
Cato Networks Cato SASE CloudのFWaaS Cato SASE CloudのDLP Cato SASE CloudのRBI Cato SD-WAN(Socketなどで接続)
Microsoft Global Secure Access cloud firewall(対象範囲に制限あり) Microsoft Purview DLP/Network Data SecurityをEntra Internet Accessと連携 確認した公式資料ではGlobal Secure Access内の該当機能を確認できず パートナーのSD-WAN製品と連携

出典:ZIA / Zscaler RBI / Zero Trust SD-WAN / Netskope製品一覧 / Prisma Access / Prisma Access RBI / Prisma SD-WAN / Cloudflare One / Cloudflare SD-WAN接続 / Cisco Secure Access / Cisco SASE / Catoの構成

表を読む際の補足:

  • 同じ製品名が複数列に登場するのは、1つのサービスが複数機能を提供するためです。標準機能・追加オプション・別契約の違いは個別に確認してください。
  • CASBはAPI型とインライン型、DLPは通信中・SaaS保存データ・端末上などで対象が異なります。
  • Microsoftのcloud firewallは、拠点からRemote Networks経由で流れるインターネット通信が対象です。確認時点ではGlobal Secure Accessクライアントには未対応です。適用範囲と制限
  • MicrosoftのネットワークDLPはPurviewとEntra Internet Accessの連携構成です。SD-WANはパートナー製品との連携として整理しています。DLP連携 / SD-WAN連携

主な製品:

  • Zscaler Internet Access(ZIA):Web・SaaSへの通信を検査し、脅威や情報漏えいから保護します。
  • Zscaler Private Access(ZPA):認証した利用者を、許可された社内・プライベートアプリに接続します。
  • Zero Trust Exchange:利用者・端末・アプリ間の安全な接続とセキュリティ制御を支えるクラウド基盤です。
  • Zero Trust SASE:利用者や拠点の接続とクラウドセキュリティを統合するSASEソリューションです。
  • Zero Trust Branch:拠点内の端末を分離し、アプリへの安全な接続を提供します。

ZIAはインターネット・SaaSアクセス向けのSWGなどを提供し、ZPAは社内・プライベートアプリへのZTNAを担当します。クラウドプロキシやアプリ単位の接続を重視したアーキテクチャが特徴です。近年はZero Trust Branchなど、拠点向け機能も展開しています。

確認ポイント: 拠点WANを含む構成範囲、トラフィック転送設計、ライセンス別のCASB/DLP、ZTNA接続要件。

公式情報:Zero Trust SASE / ZIA・ZPAの概要

主な製品:

  • Netskope One SSE:Web・SaaSの保護、社内アプリへのアクセス制御、データ保護をまとめたサービスです。
  • Netskope One Next Gen SWG:Web・SaaSへの通信を検査し、不正なサイトや危険な操作を制御します。
  • Netskope One DLP:機密データを検出し、外部への送信・共有による情報漏えいを防ぎます。
  • Netskope One SD-WAN:アプリや回線の状態に応じて、拠点間・クラウド向け通信の経路を制御します。
  • Netskope One SASE:SSEのセキュリティ機能とSD-WANのネットワーク機能を統合します。

SaaSの利用可視化、クラウドデータの保護、インライン制御に重点を置いたSSE製品群を提供しています。SD-WAN製品との統合でSASE構成にも対応します。

確認ポイント: API型・インライン型CASBの差、DLPポリシー運用、非管理端末、拠点向け機器や帯域要件。

公式情報:Netskope製品一覧

主な製品:

  • Prisma Access:利用者や拠点に、Web保護やアプリへの安全なアクセスなどのセキュリティ機能をクラウドから提供します。
  • Prisma SD-WAN:アプリや回線の状態に応じて拠点の通信経路を制御し、接続品質を最適化します。
  • Prisma SASE:Prisma AccessとPrisma SD-WANを組み合わせ、セキュリティと拠点接続を統合します。

Prisma Accessを中心とするクラウドセキュリティと、Prisma SD-WANによる拠点接続を組み合わせます。次世代ファイアウォール関連の脅威対策やStrata Cloud Managerなどとの管理・運用の関係も検討対象です。

確認ポイント: 既存ファイアウォールとの運用統合、Prisma Accessのセキュリティ範囲、SD-WAN機器・構成、管理ライセンス。

公式情報:Prisma SASE / Prisma SD-WAN

主な製品:

  • Cloudflare One:アクセス制御、Web保護、データ保護、WAN接続をまとめたSASEプラットフォームです。
  • Cloudflare Gateway:DNS・Webなどの通信を検査し、不正な接続先や脅威をブロックします。
  • Cloudflare Access:利用者のIDや端末の状態に基づいて、アプリへのアクセスを許可・制限します。
  • Cloudflare CASB:連携するSaaSの設定不備や、データの意図しない公開・共有を検出します。
  • Cloudflare DLP:通信内の機密データを検出し、外部への漏えいを防ぎます。
  • Cloudflare WAN:拠点やクラウドをCloudflareのネットワーク経由で接続します。

Gatewayはインターネットアクセスの保護、Accessはゼロトラストのアプリ接続、CASBはSaaSの設定・データリスク可視化に関連する機能を担います。WAN統合にはCloudflare WANを利用できます。Cloudflareのグローバルネットワークを基盤とした構成が特徴です。

名称変更に注意: 2026年2月17日に、Magic WANはCloudflare WAN、Magic FirewallはCloudflare Network Firewallへ名称変更されました。旧称の記事や設計資料と比較する際は注意してください。

確認ポイント: 必要なZTNA接続方式、CASBで利用できるSaaS連携、WAN接続、TLS検査、プラン別機能。

公式情報:Cloudflare One連携 / 製品名称変更

主な製品:

  • Cisco Secure Access:Web・SaaSの保護や社内アプリへの安全な接続を統合したSSEサービスです。
  • Cisco Catalyst SD-WAN:企業のWANを集中管理し、アプリや回線の状態に応じて通信経路を制御します。
  • Cisco Meraki SD-WAN:クラウドの管理画面から、拠点のWAN接続や通信経路を設定・管理します。
  • Cisco Secure Connect:Meraki SD-WANとクラウドセキュリティを統合し、拠点やリモート利用者を安全に接続します。

Cisco Secure AccessはZTNA、SWG、CASBなどを統合したSSEです。Catalyst SD-WANやMeraki SD-WANとの組み合わせによりSASEを構成する選択肢があります。既存Ciscoネットワークとの連携も重要な検討軸です。

確認ポイント: 現在採用しているCatalyst/Meraki製品との接続形態、SSE機能の契約範囲、統合管理と運用フロー。

公式情報:Cisco Secure Access / Cisco SASE

主な製品:

  • Cato SASE Cloud Platform:拠点・リモート利用者・クラウドの接続と、通信のセキュリティ検査を一体で提供します。SD-WAN(回線・経路制御)、SWG(Web保護)、CASB(SaaS利用の可視化・制御)、ZTNA(アプリ単位のアクセス制御)、FWaaS(クラウド型ファイアウォール)などを含みます。

拠点、リモートユーザー、クラウドの接続とセキュリティを、一体化したクラウドプラットフォームとグローバルバックボーン上で提供する設計です。WANとセキュリティを同時に刷新する場合に比較対象となります。

確認ポイント: 既存WANの置換範囲、拠点・ユーザーの接続方式、PoPと通信品質、ポリシー粒度、契約単位。

公式情報:Cato SASE Cloud Platform / SASE Platform

主な製品:

  • Microsoft Entra Internet Access:Web・SaaSへの通信を保護する、IDを軸としたSWGです。
  • Microsoft Entra Private Access:利用者のIDや端末の状態などに基づき、許可された社内・プライベートアプリへのZTNAを提供します。
  • Global Secure Access:Entra Internet AccessとEntra Private Accessの総称です。単独のSD-WAN製品を指す名称ではありません。
  • Microsoft Defender for Cloud Apps:SaaSの利用状況やリスクを可視化し、データ保護・利用制御を行うCASBです。
  • Microsoft Purview DLP/Network Data Security:機密データを検出し、Entra Internet Accessとの連携などを通じて外部への送信を監視・制御します。
  • Global Secure Access cloud firewall:拠点からのインターネット通信に、IPアドレス・ポート・プロトコルに基づく許可・拒否ルールを適用します。

Entra IDの認証・条件付きアクセスと連携したSSEを中心に、SD-WANはパートナー製品と組み合わせる構成です。既存のMicrosoft 365・Entra ID環境との運用連携が検討軸になります。

確認ポイント: Entra・Defender・Purviewそれぞれのライセンス、DLP連携の対象通信、cloud firewallの適用範囲、クライアント対応OS、既存SD-WANとの接続方式。

公式情報:Global Secure Access / Network Data Security / cloud firewall / SD-WANパートナー連携

自社の主な状況 比較で重視する点
社員のWeb・SaaS保護を優先したい SWG、CASB、DLP、SaaS API連携とポリシー運用
社内アプリのVPN依存を減らしたい ZTNAのアプリ公開方式、ID・端末連携、非管理端末
支店WANを含めて更改したい SD-WAN機能、経路制御、拠点機器、バックボーン、可用性
CiscoやPalo Alto製品を既に運用している 既存資産との統合・再利用と、運用チームへの影響
グローバル展開している PoPの実測遅延、現地規制、障害時動作、サポート体制
機密データ保護が重要 DLPの検査精度、CASB制御、TLS復号、ログの所在
  1. 対象ユーザー、拠点、SaaS、プライベートアプリ、必要機能を洗い出す。
  2. 必須機能と追加オプションの違いを確認する。
  3. PoCで遅延、検査可能な通信、アプリ互換性、フェイルオーバーを測定する。
  4. ID/MDM/EDR/SIEM連携、ログ保管地域、監査要件を確認する。
  5. ライセンス、拠点装置、帯域、運用費用を含むTCOで比較する。

ポイント: 「SASE対応」「SSE対応」という名称だけで判断せず、自社が必要とする通信・セキュリティ要件を具体的に検証します。ここに挙げた7社以外にも、Fortinetなどの選択肢があります。